2010年01月25日

このレストランでウェディングを受けはじめてから、15年が経過する。
昨年、10年目の結婚記念日に釧路、九州からと子供と一緒に
新しい人生の出発地点へ再び訪れてくれた家族がある。
私の記憶の中からその場面を蘇らせるのには、そう時間はかからなかった。
「こんにちは、何歳」との問いに、「4歳、6歳」との返事と笑顔が返ってくる。
厨房の窓からテーブルを囲んでいる家族を眺めていると、シェフも幸せを感じられずにはいられない。
2009年03月25日
出会いの楽しみ

この仕事を続けていることによって、料理がいろいろな職業の方たちと出会う機会を与えてくれる。
その人との出会いの中で、一人だけ初めてオーラを感じた方がいた。
1980年、黒澤映画「影武者」がカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞に輝いた。
パリでその受賞パーティーに運良く出席すると、黒澤 明とフランス人の男が椅子に座っている。
世界のクロサワではなく、前衛的ファッションデザイナーピエール・カルダンからオーラが放出され、迫力に驚いた。
人間が才能を開花させ、追求してゆくとゆうことは、オーラ(雰囲気、霊気)を発するのだろうか。
追伸:イルドフランスのホームページが4月1日から新しくなりますので、ぜひご覧下さい。
その構成に追われてブログ遅くなりました。
2009年02月11日
いい料理とは

料理と音楽、似ていると思いませんか。
料理人(演奏者)は、自身のテクニック、感性、その日のコンディションによって異なる味(音)を表現していきますが、一度きりで消えてしまうという点でも共通しています。
自由な自己表現を皿の上に盛り付けていきますが、斬新さ、流行の美しさばかり追っていると、素材と調和のとれたソース、美味しいタイミングも失いかねません。
料理人は絵描きでもデザイナーでもなく、味を追求する仕事です。
よい素材の味、香りを生かすための適切な温度によって、必然的に自然な美しさと美味さが誕生するのですから。
そんな一品が、私にはいい料理になります。
2009年01月30日
バレンタインデー

女性が義理チョコを贈る習慣が、いつ頃から始まったんだろうか。
1976年2月14日、スイス、私のアパートのポストを開けるとラッピングされた包みが置いてある。
そっと開けてみると、卵型のチョコレートに驚いた。
それを割って食べるとまた卵型のチョコが出てきて、最後の小さな卵型には、「with Love」と刻み込まれている。
この時のこの若者には、愛の告白より料理に大きな魅力を感じていたんだろうか。
その女性が誰かも知らぬまま、私は修行のフランスへと渡って行く。
本命チョコは熱く甘くとろけることなく、その役目を終えてしまった。
2008年12月07日
トリュフ

この時期になると、フランスから胡桃ほどの黒褐色の塊が地中からの贈り物として、毎年やってくる。
世界三大珍味、黒いダイヤと呼ばれている黒トリュフのことである。
何と言っても、その魅力は香りなのだ。
1月、2月に収穫したものがより強烈な官能的な香りを放す。
どの料理にもとても相性が良く、卵に香りを移してオムレツにして食べるのがその旨さをより感じられる。
この一品は人の心をも虜にもするが、一回で消えゆくつかの間の瞬間だ。
だが、極上の食事をするとゆうことは、人生の楽しみに勝ることはないような気が私にはする。
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